本記事では目標設定の重要性・目標の立て方について書いていきたいと思います。
就活でもよく、「あなたの人生における目標は何ですか?」や「将来のビジョンを教えてください。」と言われます。このように将来を見据えて目標を立てること・目標を立てた上で達成のために動くことは社会人になってからはより重要となりますので、上記の質問が頻発されるのです。
では、実際なぜ目標を立てる必要があるのかという話から目標の立て方、そしてそれに基づいて私が今年度立てた目標について書いていきたいと思います。
なぜ目標設定が重要なのか?
目標を立てることによって多くのメリットを享受することが出来ます。ここでは特に主要なメリットについて3つ書いていきます。
明確な道筋と距離が見える
目標は言わばゴールです。
ゴールが見えていれば人はそれに向けた道筋を見ることが出来るだけでなく、現状と目標とを比較した上で目標までの距離を把握することが出来るのです。
イメージを付けるためによく出る100m走の例を挙げます。
100メートル走のゴールは見えていますよね?なので、ゴールまでの道筋を見ることができます。そして、どれくらい距離があるかという事に関してもたとえ距離を言われていないとしてもおおよその距離を目標地点が見えていれば把握することが出来ます。
このように目標さえ定まっていれば、距離と道筋を把握することが出来るのです。
現実世界では、100m走のように明確な距離と道筋が見えるわけではないかもしれません。なぜならば、外部環境に大きく左右されてしまうからです。なので、現実世界では台風の中を100m走しているくらいのイメージを持ってもらえるとイメージが付きやすいと思います。
手段を理解できる
目標を定めることによって、その目標を達成するための手段を理解することが出来ます。
例えば、「週末に温泉で疲れを癒すこと」が目標だとします。
その際に、手段は人それぞれ様々ですが、「温泉宿を予約する」「レンタカーを予約する」「カーナビに沿って目的地に向かう」等の手段を把握し、理解することが出来るのです。
上記の例は目標自体が簡単なので、目標を設定する必要が無いように見えるかもしれませんが、影響範囲が大きくなる・目標自体が大きくなるにつれてより手段の見える化が難しくなってくるため、重要性が増してくるのです。
現状を可視化でき、生産性向上につながる
目標を作ることで手段と道筋が把握できるのは上記で述べたとおりですが、それによって目標に対しての自分の現状を把握することが出来るようになります。
例えば、お金を稼ぎたい人がいるとします。
その人がただ漠然とお金を稼ぎたいと考えているだけでお金を稼ぐための目標を設定しなかったらどうでしょう?
きっとその人は、お金を稼げる方法が分からず、ただ漫然と与えられた仕事をこなすだけになってしまいます。
一方その人が、「お金を稼ぐために今市場価値の高まっているプログラミングスキルを向上させること」を目標とした場合はいかがでしょうか?
その時の職業がITに関係のない職業であれば、勤務時間中は仕事を全うした上で、プログラミングの教室に通ったり、自分で本を買って学習すると思います。
こうすることで、現状の自分の市場価値とお金を稼ぎたいという目標の差分を理解し、自分で動き出すことが出来るのです。
このように、目標を設定する事によって、現状を可視化でき生産性向上につながります。
目標の立て方とは?
まず、前提として目標の立て方には様々な方法がありますが、今回はもっとも有名であり、よく使われるフレームワークをご紹介させていただきます。
ゴールに必要な3つの要素
指標
指標とは「物事を判断したり評価をしたりするための目印」です。もしその人が何らかのビジネスを行っているのであれば、「売上」が簡単な指標になりますし、採用担当であれば「採用人数」となります。
値
指標を決めた上で、「どれくらい実際獲得したいのかを定量的に表すもの」が値です。こちらの値が明確になっていない目標を設定してしまうと結局達成できたのか出来ていないのか明確に理解することが難しくなってしまう為、必ず明確にする必要があります。
期間
いつまでに達成するかです。上記でも述べましたが、期間を設定しない場合はいつまでも目標達成が後に後になってしまう為、必ず目標は期間を決めて決める必要があります。基本的にビジネスの世界では、年・四半期・月でそれぞれ目標を定めることが多いですが、ECサイト等日々のサイトの売上を追う必要がある場合は日での設定も必要です。
自分が立てた目標に応じて目標の期間の粒度を決める必要があると言えます。
目標からKPIへの落とし込み方
目標が定まったとしても必ずしも何をしていくか明確になるわけではありません。そこで、具体的に何をした方がいいのかを決めていくことをKPI設定をしていくと言います。
KPIとはKey Performance Indicatorの略であり、日本語で言うと「重要業績評価指標」という意味です。このKPIを設計し、そこを改善することによって目標達成につながるという事です。
これだけでは伝わらないと思いますので、ステップごとに説明していきたいと思います。
STEP1:目標
まずは目標を明確にします。その際に指標・値・期間の3つを意識して忘れないようにしましょう
STEP2:流れ
次に、目標までの流れを考えます。
例えば、目標が今期の受注3件だとします。
そうすると、3件取るための有効な商談数は何件か考える必要があります。次に商談の中でも確度が異なる為、有効な商談数を目標値取るためには何件の商談が必要か考えます。すると、次に考えるのは必要なリード数です。そして、リードを取るにはそれぞれセミナーや展示会に何回出るか・webからの流入数はどれくらい必要か・アライアンスからのリードは何件必要か等考える必要があります。
このように、目標を達成するためには、それまでの流れを考える必要があるのです。
STEP3:数値
次に数値を記入します。上の例で言うと、有効な商談から受注するのは何%の案件かを考慮する必要があります。例えば、30%だと試算すると、10件の有効な商談が必要だという事が分かります。
これを繰り返していくと最終的に、それぞれのリードを取るために何をすべきかの数値までブレイクスルーして考えることが出来るのです。
STEP4:選定
やるべきことは探せば探すほど出てくると思います。しかし、リソースは限られていますので、優先度の高いものつまりKPIを選ぶ必要があります。
ここではSMARTというフレームワークが選定しやすいため、使っていきます。
- Specific(具体的に)
対象となる指標が誰が見ても分かりやすく万人に理解できる内容になっているか - Measurable(測定可能な)
数値が設定できるか - Actionable(実現可能な)
KPIとした場合にそのKPIが実現可能かどうか - Related(現実的)
数値目標が現実的かどうか - Time-bound(時間制約がある)
いつまでに目標を達成するかを設定する事が可能か
これらの指標、特にActionable(実現可能な)を基に、KPIを選定していきます。
STEP5:設定
選んだ指標に対して、最後は目標値を設定します。こうして指標を目標値と合わせていき最終的なKPIを確定させます。
目標値の設定方法は様々ですが、基本的な考え方は以下です。
選んだ指標nに対してn-1の指標を1/n-1改善した場合にビジネス目標が達成できる値を設定する
上記の考え方は少し難しいかもしれませんが、こうすることで100%すべてのKPIを達成しなければ目標達成できないという事にはならず、より確実に目標にたどり着くことが出来ます。
STEP6:まとめと振り返り
確認の意味も込めて、自分が設定した目標とKPIをふりかえりましょう。
KPI自体は変更できないわけではないですが、1年という単位で基本的には追い続ける目標となる為、しっかりと確認することが重要です。
まとめ
いかがでしょうか?
目標の重要性・作り方等理解できたのではないかと思います。
目標は実際作ってみることが重要です。
作ってみると分かりますが、目標を粒度良くしっかりと作ることは意外と難しいです。
そして、作って実行することによってその重要性をより理解することが出来ます。
是非皆さん、作ってみましょう!
さて、次回は目標関連でGoogleやインテル等で用いられているOKRについて書いていきます。
そちらもぜひご参照ください!